肩・膝・スポーツ・関節鏡センター

肩・膝・スポーツ・関節鏡センター

当センターに関して

当院では、2024年12月から「肩・膝・スポーツ・関節鏡センター」を標榜しました。
「肩・膝・スポーツ・関節鏡センター」では、肩・膝・肘・手・足関節などの関節鏡での低侵襲治療を希望される方、小さなお子さまから高齢者まであらゆる世代のスポーツ外傷・障害がある方や、リバース型人工肩関節置換術などの専門的な肩関節手術治療が必要な方の診療を行っています。
一人ひとりに合わせた治療を提供するために、専任の医師・看護師・理学療法士・放射線技師等のスタッフが対応させていただきます。
皆さまのスポーツレベルに合わせて、スポーツ復帰まではもちろん、スポーツ復帰後も継続してサポートさせていただきます。
肩や膝などの痛みでお困りの方や、スポーツ外傷・障害でお困りの患者さんはぜひご相談ください。

当センターの主な対象者

  • 小学生からプロ選手までのスポーツ外傷・障害のある方
  • スポーツでの肩・肘・膝・足の違和感や痛みが取れない方
  • 脱臼や捻挫のあと痛みや外れやすさが続いている方
  • 五十肩や腱板損傷などの肩の痛みや動かしにくさがある方
などです。

当センターの受診が勧められる具体的な症状

  • 年齢関係なく上肢(肩・肘・手)に症状のある方
  • 60歳以下の膝に症状のある方
  • 年齢関係なく足関節や足部に症状のある方

スポーツ外傷・障害に関して

当院で扱っているスポーツ外傷・障害は、スポーツに起因する外傷をはじめとして、疲労骨折やover useによる慢性的な関節の痛みなど多岐にわたります。
いずれもまずは保存的加療や予防の指導を行った上で、手術的加療の必要な疾患に対しては主に関節鏡を用いた低侵襲の治療を行っています。
体への負担が少ない関節鏡を用いた低侵襲手術により、早期からリハビリテーションやスポーツ復帰が可能です。また、手術による傷が小さいため、疼痛も少なく早期に退院が可能です。
PRP(Platelet-Rich Plasma:多血小板血漿)を使用した最先端治療も行っています。

手術に関して

一般的な直視下手術に加えて、関節鏡を使用しての手術も数多く行っています。
関節鏡手術は肩関節、肘関節、膝関節、足関節、手関節とほぼ全身の関節に対応しています。
また、専門的な知識を有し、日本整形外科学会専門医の中でも特定の基準を満たし研修を終えた医師のみ実施できるリバース型人工肩関節置換術も行っています。

関節鏡視下手術に関して

関節に対する内視鏡(カメラ)である関節鏡を用いた手術です。
以前は傷口を大きく開くオープン手術で行われていた手術も、器具および技術の進歩により、多くの手術が関節鏡視下手術として行えるようになっています。
関節鏡視下手術は、5mm程度の皮膚切開を数個作り、この小さな入口から直径4mmの細いカメラや手術器具を関節内に挿入し手術を行います。

利点:
  • 皮膚の傷が小さい
  • 関節周囲の健常な筋肉などの損傷が少ない
  • 術後の痛みが比較的少なく、早期の機能回復が望める
  • 肉眼よりも深い場所が拡大して観察可能で細かい診断や処置が可能
  • 潅流液で洗いながら手術を行うため手術部の感染を起こしにくい
欠点:
  • 特殊な技術や手術器械が必要で対応可能な病院が限られている
  • 症例によっては難易度が高く手術時間が長くなる
  • 症例によっては関節鏡手術より直視下手術の方が術後成績が優れている


当センターで診療する代表的疾患

肩 :
肩腱板断裂、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)、肩関節拘縮、変形性肩関節症、肩インピンジメント症候群、肩関節唇損傷、反復性肩関節脱臼(亜脱臼)、SLAP損傷、肩鎖関節脱臼、野球肩、肩周囲骨折(上腕骨・関節窩・鎖骨など)、石灰沈着性腱炎、上腕二頭筋長頭腱損傷 など
肘 :
上腕骨離断性骨軟骨炎、野球肘、テニス肘(上腕骨外上顆炎)、ゴルフ肘(上腕骨内上顆炎)変形性肘関節症、肘関節脱臼、靱帯損傷、肘関節内遊離体、肘部管症候群 など
膝 :
前十字靱帯損傷、後十字靭帯損傷、内側・外側側副靱帯損傷、膝オスグット病、膝半月板損傷、軟骨損傷、分裂膝蓋骨、膝蓋骨脱臼、大腿骨離断性骨軟骨炎、膝関節内遊離体大腿四頭筋腱断裂、膝蓋腱断裂 など
足 :
足関節捻挫(足関節靱帯損傷)、離断性骨軟骨炎、足関節インピンジメント症候群、中足骨疲労骨折、有痛性外脛骨、三角骨障害、アキレス腱断裂、変形性足関節症 など
手 :
TFCC損傷、手根管症候群、舟状骨骨折、有鉤骨骨折 など


当センターでの診療を希望される方へ

下記の当院代表電話番号にご連絡頂き、スポーツ関節鏡外来の予約をお取りください。
電話番号 045-371-2511(代表)
横浜鶴ヶ峰病院ホームページからのWeb予約も始まりました。

スポーツ関節鏡外来の外来診察日は以下の曜日・日時となっています。
午前 ( 9:00-12:00)
午後(14:00-16:00)
※〇は横浜鶴ヶ峰病院で外来を行っています。
※◆はまいた整形外科リハビリテーションクリニックで外来を行っています。
※他院から当院への転院をご希望の方は紹介状を持参してください。
※病院・医師の都合により診察日が変更になることがあります。
詳しくは当院代表電話番号までお問い合わせください。

手術実績

術式 2024年度 2025年度
肩関節鏡手術(腱板修復/授動術/石灰/上方関節包再建/筋前進術/肩脱臼/肩鎖関節脱臼/上腕二頭筋長頭腱断裂) 47 93
肩人工関節置換術(解剖学的/リバース型/再置換) 3 16
肩周囲骨折手術(鏡視下髄内釘/プレート) 12 11
肩軟部腫瘍摘出術 1 2
膝関節鏡手術(ACL再建/ACL剥離骨折/PCL再建/半月板縫合/円板状半月板形成/二分膝蓋骨切除/自家骨軟骨柱移植) 32 47
脛骨近位骨切り術(OWHTO/CWHTO)・膝関節鏡下半月板制動術 10
膝靱帯断裂形成術(膝蓋骨脱臼MPFL再建/MCL再建/大腿四頭筋腱再建術) 1 3
膝周囲骨折手術(プレート/スクリュー/ワイヤーなど) 3 1
肘関節鏡手術(授動術/自家骨軟骨移植) 3 6
肘関節内骨折手術(プレート/スクリュー/ワイヤーなど) 1 3
肘靱帯断裂修復/再建術(肘関節脱臼/UCL再建) 1 3
上腕骨外側/内側上顆炎腱縫合 (テニス肘/ゴルフ肘) 2
手外科手術(手舟状骨骨折/指腱断裂/腱鞘切開) 6 8
鏡視下手根管開放術 4
経皮的アキレス腱縫合手術 6 4
足関節鏡手術(距腿関節固定術/授動術) 1 1
腓骨筋腱脱臼手術(腱鞘形成術) 1 1
その他 10 9
総計 128 224

スポーツ関節鏡外来の担当医

渡邉 寿人(わたなべ ひさと)
Dr.渡邉 寿人

専門分野
肩関節・膝関節・スポーツ疾患
関節鏡手術
主な略歴
2009年 昭和大学医学部 卒業
東京都保健医療公社荏原病院 初期研修
東京大学整形外科学教室 入局
東京逓信病院 整形外科
多摩北部医療センター 整形外科
茨城県立中央病院 整形外科
東京都立墨東病院 整形外科
東京大学大学院博士課程 卒業
原整形外科 肩専門外来
静岡県リウマチ整形外科リハビリ病院 スポーツ整形
東都文京病院 整形外科
船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター


主な疾患と治療について

  • 肩腱板断裂
    A. 腱とは骨と筋肉をつなぐもので代表的な腱としてはアキレス腱が知られています。
    腱板とは、肩関節を動かすための4つの筋肉(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)の腱が上腕骨を包み込むように板状になっている構造物の総称です。
    腱板はインナーマッスルとして、腕の付け根の上腕骨頭と肩甲骨の関節窩という受け皿の位置を安定させ、アウターマッスルである三角筋の力をうまく伝えて肩の運動をスムースにします。
    また、手を前に伸ばして保持する挙上の筋力や内外旋の筋力にも関わっています。
    この腱板が断裂した状態を腱板断裂と言います。

    A. 腱板断裂によって起こる症状としては、痛み、重だるさ、引っかかり、挙がらない、力が入らない、など様々なものがあります。

    A. 腱板断裂の有無は超音波検査やMRIで判断できます。
    肩の症状が腱板断裂によるものかどうか、身体所見やX線検査で鑑別を行った後、医師の判断により超音波検査やMRI検査を予定します。

    A. 治療方法は患者さんの症状や年齢、腱板断裂の程度などにより異なります。
    全ての腱板断裂が手術の対象となるわけではありませんが、早期に手術を行なった方が良い場合もあります。診断後に保存治療と手術治療のどちらが適しているかを判断し、最終的には患者さん自身に選択をしてもらいます。

    A. 症状が軽度な場合、腱板断裂が小さい場合、患者さんが高齢である場合などは保存治療が勧められることがあります。
    保存治療には、鎮痛薬や注射、運動療法などがあります。保存治療では腱板断裂自体は修復されませんが、症状を抑えることにより日常生活動作などを制限なく行えることを目指します。

    A. 手術治療は主に腱板断裂を修復することを目的に行います。当院では関節鏡を使用し最小侵襲で腱板修復手術を行なっています。腱板断裂以外に肩周囲の症状の原因となる上腕二頭筋長頭腱・肩鎖関節・肩峰下骨棘などに対しても関節鏡下に処置を行います。
    腱板断裂がかなり以前からのもの(陳旧性)であったり、断裂が大きい時には、関節鏡下腱板修復手術が困難なことがあります。その際には、患者さんの年齢や活動具合によって、腱板部分修復術、筋前進術、Ex-medialization法、上方関節包再建術などの広範囲腱板断裂に対する手術法や、リバース型人工肩関節置換術などの腱板断裂性関節症に対する手術法を選択します。

    A. 関節鏡という直径4mm程度のカメラを関節内に挿入して断裂した腱板を修復します。
    断裂形態や断裂の大きさ、腱板断端の質によって修復の方法が異なりますが、多くの場合アンカーという糸のついたビスを腱板の付着部の骨に挿入し、その糸を断裂した腱板断端に通して、外側に挿入したアンカーで押さえ込むことで断裂部を修復します。
    少し専門的な話になりますが、当院ではアンカーを3列使用するtriple row法という方法を用いて腱板縫合部に過度な緊張がかからないような工夫を行っています。
    また、腱断端の質がよくない場合には修復を行った部位に腱板損傷部の修復を促進するコラーゲン線維シートを貼り付ける最新の治療も行っています。

    A. 肩関節は比較的術後の痛みが強い部分です。
    当院では、手術に対する患者さんの不安の一因である術後の痛みをできるだけ少なくするよう心がけて治療を行っています。
    肩の手術の麻酔は全身麻酔で行います。全身麻酔では、脊椎クモ膜下麻酔など下半身だけの麻酔と異なり、麻酔薬により患者さんの意識をなくし、深く眠った状態にします。これには、意識があることにより受ける手術中のストレスから患者さんを守る効果もあります。手術室で点滴から麻酔薬が入り眠ると、起きたときには手術が終わっています。
    麻酔がかかった後、頸部から手術側の肩に向かう神経の周囲に局所麻酔薬を注射します(斜角筋間腕神経叢ブロック)。これにより、術後当日は痛みをほとんど感じずに過ごすことができます。
    また、手術中に手術部の関節周囲に鎮痛薬の注射を行います。(多剤カクテル注射)
    さらに、ブロック注射の効果が切れた後の痛みを予防するために、術前から複数の種類の鎮痛薬を内服してもらっています(先行多様鎮痛:Pre-emptive multimodal analgesia)。加えて点滴からの鎮痛薬も使用します。術翌日からは、理学療法士による術後早期からのリハビリテーションにより肩の安静位置の調整や肩周囲筋肉の緊張緩和を図ります。また、外転装具という腱板縫合部に負担のかからない肢位で肩を保持する装具を着用することで痛みが起こりにくい環境をつくります。そして、術後の回診で不安が払拭できるように心がけています。
    これらの対処法により、術後の痛みを心配せずに安心して手術を受けていただけるように努めています。

    ◎当院の術後の痛みに対する多角的なアプローチ
    全身麻酔 + 腕神経叢ブロック + 多剤カクテル注射 + 先行多様鎮痛薬の内服 + 点滴からの鎮痛薬 + 理学療法 装具固定 + α

    A. 腱板断裂の手術後はおおよそ1週間程度の入院を予定しています。
    手術前日に入院し、術後翌日からリハビリを開始します。創部が問題なく痛みが落ち着いており、装具の着脱や更衣、入浴動作などが習得できれば退院となります。
    入院1日目(術前日)
    装具合わせ、手術準備
    入院2日目(術当日)
    術後3時間で飲食許可
    3日目~6日目(手術翌日~)
    リハビリ、創部管理、検査
    7日目以降
    退院
    費用は入院前の診察代/検査代、入院中の治療代/手術代/差額ベット代/食事代/術後の装具代などが必要です。一定の自己負担額を超えた際には、超過分の医療費が還付される高額療養費制度が適用されます。
    所得や年齢により自己負担限度額が異なります。詳しくは当院の受付にお問い合わせください。

    A. 手術により修復された腱板断端が上腕骨としっかりとくっつくのは数ヶ月の期間が必要です。
    術後の再断裂の多くは6か月以内に起こります。
    その間は修復部に負担がかかり再断裂をしないよう注意が必要です。
    腱板に負担がかかるのは、脇を閉じる動作や自力で肩を挙げようとする動作です。
    術後はこの動作をしないように外転装具という装具を装着します。

    装具:装着期間の目安は4~6週間ですが、断裂の大きさなどにより変更となることがあります。
    更衣や入浴:退院までに肩の位置を保持したまま行う方法を習得してもらいます。
    運転:装具が外れてから許可します。
    仕事復帰:患肢を使用しないデスクワークは退院後より可能です。仕事内容や術後の回復具合で異なりますが、軽作業は術後3ヶ月ごろから、重労働は術後6か月ごろからの復帰が目安となります。
    スポーツ復帰:肩に負担のかからない運動は装具が外れれば可能となります。筋力強化などは術後3ヶ月ごろから、スポーツ復帰は術後6か月ごろからが目安となります。

    A. 状況にあわせて様々な方法を選択します。

    腱板部分修復術:可能な範囲で腱板を修復することで、残存腱板の機能を高めて肩の筋力の改善を図ります。また、ひっかかり痛みを出す腱板断裂部や上腕二頭筋長頭腱を切除することで除痛を図ります。

    筋前進術:通常の腱板修復術では、断裂した腱板を元の位置に戻して修復しますが、大きな断裂の場合、筋肉が萎縮しており元の位置まで戻すことが難しくなります。このような場合には、腱板の根元の筋肉を肩甲骨から剥離して元の位置まで引き出すことで修復を行います。

    Ex-medialization法:腱板を元の位置まで引き出すのが困難な時に、腱を無理に元の位置に引っ張らず、上腕骨頭の上方を大きく切除することで腱板付着部を内側にずらして腱板を固定する方法です。
    切除した骨頭から細胞が豊富な骨髄液が滲出することで腱板付着部の再生が促されます。

    上方関節包再建術:腱板断裂が大きく、時間が経過している場合、筋肉が萎縮して引き出すことが難しいことがあります。その際には、ふとももの外側から大腿筋膜を採取し、腱板の代わりに肩に移植することで肩関節の安定性を回復させる上方関節包再建術を行ないます。

    リバース型人工肩関節置換術:修復が困難な腱板断裂や、腱板断裂後に上腕骨や肩甲骨が削れてしまった腱板断裂性関節症に対して行われる手術法です。現在、日本では原則65歳以上の方に対して使用されています。

    患者さんの状態にあった手術法を提案させて頂きますのでご相談ください。

  • 肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)
  • 肩関節拘縮
  • 変形性肩関節症
  • 肩関節脱臼/亜脱臼/肩関節唇損傷
  • 肩周囲骨折
  • テニス肘
  • 変形性肘関節症
  • 前十字靭帯損傷
  • 半月板損傷
  • 膝蓋骨脱臼
  • 足関節捻挫
  • 中足骨疲労骨折
  • アキレス腱断裂
  • TFCC損傷
  • 手根管症候群